トランプ仮想通貨帝国崩壊！一族資産 10 億ドル蒸発の衝撃

2025-12-05 06:55:23

トランプ米大統領の次男エリック氏が共同設立した American Bitcoin の株価が 12 月 2 日に取引開始 1 分で 33% 暴落、最終的に 51% 超急落。トランプ仮想通貨プロジェクトは軒並み崩壊、WLFI トークンは 51% 下落、ALT5 Sigma は 75% 急落、TRUMP と MELANIA ミームコインは最高値から 90%、99% 下落。ブルームバーグによると、トランプ家は 10 月以降 10 億ドル超の資産を失い、トランプ・プレミアムがトランプ・ドラッグに転じた。

American Bitcoin 株価暴落が象徴するトランプ仮想通貨の崩壊

（出典：ブルームバーグ）

トランプ米大統領の次男エリック氏らが共同で設立した暗号資産ビットコインのマイニング会社 American Bitcoin の株価が、米株市場の 12 月 2 日の取引で急落した。それは一瞬の出来事だった。取引開始からわずか 1 分後の午前 9 時 31 分時点で株価は 33% 下げ、5 分後には 42% 安となった。午前 9 時 56 分には下落幅が 51% を超えた。

American Bitcoin の株価の値崩れは目を見張るものがあり、2025 年終盤の暗号資産の相場急落だけでなく、トランプ仮想通貨ビジネスでトランプ家が過去 1 年間にデジタル通貨の世界で後押ししてきたベンチャー企業群崩壊の象徴となった。暗号資産は相場全体が過去 2 カ月で下げ、ビットコインの下落幅は約 25% に達したが、トランプ家が関係するプロジェクトの下げは、はるかに大きい。

同社は共同創業者であるトランプ氏の息子、エリック・トランプ氏が最高戦略責任者を務め、ドナルド・トランプ・ジュニア氏が株主。一族が仮想通貨企業を経営しながら仮想通貨取引を推進するトランプ氏の姿勢は、利益相反に当たるとの批判も強まっている。American Bitcoin は 12 月 2 日の大幅下落を受け、累計下げ幅が 75% に達した。

トランプ一族の仮想通貨プロジェクト全面崩壊

トランプ大統領と息子らが共同で設立した World Liberty Financial の独自トークン WLFI は、9 月初めのピークから 51% 下落し、ビットコインや比較的規模の小さいデジタルトークンの指数を上回る著しい下げに見舞われた。World Liberty Financial はトランプ仮想通貨帝国の中核プロジェクトとして、暗号資産億万長者ジャスティン・サン氏から 7500 万ドルの投資を確保していた。

しかし、この大型投資も価格下落を食い止めることはできなかった。WLFI トークンは 9 月の最高値 0.31 ドルから 0.158 ドルまで下落、約 49% の価値を失った。トランプ氏と息子たちは DT Marks DEFI LLC を通じて 225 億枚の WLFI トークンを保有しており、この価格下落はトランプ一族の資産に直接打撃を与えた。

トランプ氏の息子らが関係する ALT5 Sigma は、増え続ける法的問題に対応を迫られているが、株価は約 75% 急落する展開となった。さらに大統領とメラニア夫人にちなんで名付けられたミームコインは、1 月に付けた最高値からそれぞれ約 90%、99% 価値を失った。TRUMP ミームコインと MELANIA ミームコインの崩壊は、トランプ仮想通貨プロジェクトの投機性を象徴している。

トランプ一族の仮想通貨プロジェクト下落率

American Bitcoin 株価：75% 下落（12 月 2 日暴落含む）

WLFI トークン：51% 下落（9 月ピークから）

ALT5 Sigma 株価：約 75% 急落

TRUMP ミームコイン：約 90% 下落（1 月高値から）

MELANIA ミームコイン：約 99% 下落（1 月高値から）

一連の動きは、トランプ一家が今年蓄積した暗号資産関連の莫大な富に大きな打撃を与えた。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、10 月以降の下降局面でトランプ家が暗号資産ベンチャーなどのビジネスで築いた 10 億ドル余りの資産が失われた。

トランプ・プレミアムからトランプ・ドラッグへの転落

トランプ仮想通貨プロジェクトの崩壊は、デジタル資産業界と大統領の公的イメージにとって、より幅広い重要性を帯びる。トランプ氏の支持は、政権 2 期目の早い段階で多様なトークンの価格上昇を後押しし、ビットコインの価格を大統領の政治的成功の指標に変えた。

だがここに来て、トランプ・プレミアムと思われたものが、トランプ・ドラッグ（足かせ）に突然転じ、暗号資産を支える中心的柱の一つが崩れた。これら投機的市場への信頼、さらには大統領自身への信頼でさえ、いかに急速に失われるかを示すものだ。

アメリカン大学ワシントン・カレッジ・オブ・ロースクールのヒラリー・アレン教授（法学）は「正当性に関して言えば、もろ刃の剣だった。トランプ氏は独自の暗号資産プロジェクトを開始したが、その多くがたちまち価値を失った。トランプ家を通じて正当性を獲得することが目標だったとすれば、成功しなかった」と指摘した。

トランプ氏の米大統領選勝利から 1 年。複数の一族企業を調べたところ、わずか 1 年で 100 億ドル規模の暗号資産ビジネスを築き上げたことがわかった。米国最大の権力者である大統領とその一族が、短期間でこれだけ巨額の資産を積み上げるのは例がない。政治権力の腐敗リスクが漂う。

American Bitcoin の業績と利益相反批判

トランプ米大統領の息子 2 人が支援する暗号資産ビットコインのマイニング企業 American Bitcoin が発表した第 3 四半期決算は、利ざや拡大によって純損益が 350 万ドルの黒字となり、前年同期の 60 万ドルの赤字から黒字転換した。

第 3 四半期の収入は 6420 万ドルで、前年同期の 1160 万ドルから増加した。粗利ざやは前年同期の 49% から 56% に拡大した。トランプ政権が仮想通貨の規制緩和を進めているため、今年は仮想通貨取引への関心が強まり、ビットコインの取引高は過去最高水準を記録した。

しかし、業績改善にもかかわらず株価は暴落した。これは投資家がトランプ仮想通貨プロジェクトの持続可能性に疑問を抱いていることを示している。ビットコインの価格はここ数週間で急落しており、マイニング会社の収益性も圧迫されている。

一族が仮想通貨企業を経営しながら仮想通貨取引を推進するトランプ氏の姿勢は、利益相反に当たるとの批判もある。大統領が暗号資産に有利な政策を推進する一方で、その一族が同分野で巨額の利益を得ている構図は、米国史上前例のない利益相反問題を提起している。

World Liberty Financial とミームコインの惨状

トランプ大統領と息子らが共同で設立した World Liberty Financial の独自トークン WLFI は、9 月初めのピークから 51% 下落した。DT Marks DEFI LLC を通じて保有される 225 億枚の WLFI トークンの価値は、この下落により大幅に減少した。

暗号資産億万長者ジャスティン・サン氏の 7500 万ドル投資も、WLFI トークンの下落を阻止できなかった。9 月のデビュー時に 0.31 ドルで取引された WLFI は、現在 0.158 ドルまで下落している。World Liberty Financial はその後 USD1 というステーブルコインを導入し、時価総額は約 26 億ドルに達したが、親トークンの WLFI の価格下落はプロジェクト全体の信頼性に影響を与えている。

さらに大統領とメラニア夫人にちなんで名付けられたミームコインの崩壊は、トランプ仮想通貨プロジェクトの投機的性質を露呈した。TRUMP ミームコインは 1 月の最高値から約 90% 下落、MELANIA ミームコインに至っては約 99% の価値を失った。これらのミームコインは投機以外の用途を持たず、トランプ家のブランド価値のみに依存していたため、市場信頼が失われると急速に価値を失った。

トランプ仮想通貨政策と家族ビジネスの矛盾

トランプ氏の米大統領選勝利から 1 年。複数の一族企業を調べたところ、わずか 1 年で 100 億ドル規模の暗号資産ビジネスを築き上げたことがわかった。米国最大の権力者である大統領とその一族が、短期間でこれだけ巨額の資産を積み上げるのは例がない。

トランプ政権が仮想通貨の規制緩和を進めている事実が、この矛盾を際立たせている。大統領が暗号資産に有利な政策を推進する一方で、その一族が同分野で巨額の利益を得ている構図は、前例のない利益相反問題だ。トランプ氏は就任初日に暗号資産懐疑派の SEC 委員長ゲンスラー氏を解任し、暗号資産支持派のポール・アトキンス氏を任命した。

SEC はその後、Ripple Labs、Consensys を含む複数の企業との訴訟を取り下げたり和解したりした。司法省は 4 月、大統領の行政命令に基づき、「故意」でない限りデジタル資産に関する規制違反での起訴を行わないと表明した。これらの政策決定は、トランプ一族の暗号資産ビジネスに直接利益をもたらす内容となっている。

正当性獲得の失敗と信頼の喪失

この指摘は、トランプ仮想通貨プロジェクトの根本的な問題を浮き彫りにする。大統領の名声とブランド価値を活用して暗号資産プロジェクトに正当性を付与する戦略は、短期的には成功したように見えた。WLFI トークンの初期販売や TRUMP ミームコインの急騰がその証拠だ。

しかし、実際の価値創造や持続可能なビジネスモデルの構築に失敗すると、ブランド価値だけでは価格を支えられない。トランプ家が関係するプロジェクトの下落が暗号資産全般の下落をはるかに上回る事実は、市場がこれらのプロジェクトを実質のない投機的資産と判断していることを示している。

ワールド・リバティー・ファイナンシャルと、トランプ氏のミームコインの関連会社「ファイトファイトファイト」にコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。この沈黙は、トランプ一族が現在の危機に対する明確な対応策を持っていない可能性を示唆している。

業績好調でも株価暴落の矛盾

興味深いことに、American Bitcoin の第 3 四半期決算は好調だった。利ざや拡大によって純損益が 350 万ドルの黒字となり、前年同期の 60 万ドルの赤字から黒字転換した。第 3 四半期の収入は 6420 万ドルで、前年同期の 1160 万ドルから増加した。粗利ざやは前年同期の 49% から 56% に拡大した。

この業績改善にもかかわらず株価が暴落した事実は、投資家が短期的な業績よりも長期的な持続可能性を重視していることを示している。トランプ政権が仮想通貨の規制緩和を進めているため、今年は仮想通貨取引への関心が強まり、ビットコインの取引高は過去最高水準を記録した。しかし、ビットコインの価格はここ数週間で急落しており、マイニング会社の将来の収益性に疑問が投げかけられている。