2大央行の政策の違いが暗号資産市場にもたらすものは？

最近、市場では米連邦準備制度理事会（FRB）が12月9日～10日の会合で利下げを発表する可能性があるとの噂が流れています。一方で、日本銀行は12月18日～19日に利上げを検討する予定です。この政策の“タイムラグ”が、暗号資産市場に大きなボラティリティをもたらす可能性があります。

まずFRBについて。もし本当に利下げが行われれば、市場の流動性が増加し、過去のデータでは利下げ後3日間で暗号資産は平均15％ほど上昇しています。ビットコインが10万ドルの大台を目指す可能性もあり、いくつかのアルトコインやミームコインも一緒に急騰するかもしれません。この期間は短期トレードのチャンスとなる可能性があります。

しかし、油断は禁物です。

もし日本銀行が本当に利上げを実施した場合、状況は複雑になります。利上げは流動性の引き締めを意味し、円高によって世界中の資金が日本に回帰することになり、暗号資産市場から資金が“吸い上げ”られる局面になるかもしれません。2023年を振り返ると、日本銀行がサプライズ利上げを行った際、ビットコインは1日で18％下落しました。今回も同じことが起これば、ビットコインが20％以上下落する可能性も十分にあり、アルトコインの下落幅はさらに大きくなるかもしれません。

したがって、タイミングが非常に重要です。

12月9日から15日の1週間は、FRBの利下げ後、市場心理が比較的楽観的となり、主要通貨が好調な動きを見せる可能性があります。

しかし、12月16日以降は注意が必要です。日本銀行の会合直前には市場が様子見ムードになり、もし利上げのシグナルが明確になれば、事前に利益確定しておくのがより安全な選択肢と言えるでしょう。

いくつかの運用アドバイス：

短期トレーダーは、FRB利下げ後の3日間でビットコインやイーサリアムなど主要通貨を仕込むことを検討し、10％の利益確定ポイントを設定して欲張らないようにしましょう。

日本銀行の利上げリスクが気になる方は、オプションや先物でヘッジを行い、一方向への下落リスクを回避するのが有効です。

もう1つ見落としがちな点として、大口取引はコンプライアンスに注意しましょう。頻繁な送金や大口取引は取引所のアンチマネーロンダリング監視に引っかかる可能性があり、その場合、口座が凍結されてせっかく得た利益が引き出せなくなるおそれもあります。

今回の相場はチャンスとリスクが共存しています。鍵はタイミングをどう掴むかにかかっています。