最近友人からこう聞かれました。「株式市場は確かに上昇しているのに、なぜ経済が本当に良くなっている実感がないのか？」

多くの人は株価が急騰すれば経済が強い証拠だと考えがちですが、実はこれは誤解です。市場が加熱すればするほど、金融機関のリスクエクスポージャーも大きくなります——その裏には積み重なる債務とレバレッジがあります。株価の急騰は資産価格の上昇、資金調達需要の急増、信用システムの拡大を意味します。しかし、ある臨界点に達すると資産の期待リターンが下がり始め、価格が徐々に信用の裏付けから乖離し、ここでブル・ベアの転換点が生まれるのです。

株式市場が狂ったように上昇している時、金融システム全体もそれに合わせて拡張せざるを得ません。銀行はより多くの資金を供給し、信用供与規模が受動的に膨張し、債権エクスポージャーも拡大し続けます。なぜなら大手機関は皆、同じロジックで動いているからです：負債は減らず、むしろ増え、資産規模は継続的に拡大するのです。

だから株式市場で経済の活発さを測るのは、指標として間違っているのです。

次に暗号資産市場、特にビットコインを見てみましょう——今のビットコインの役割は、むしろ伝統的金融の「リスクプレミアムの緩衝帯」に近いものです。ここ2年ほど私はずっと、ビットコインの資産属性はリスクアセットから避難先資産へと転換したと話してきましたが、この点を本当に理解している人は多くありません。その理由は単純です：大半の人は、伝統市場が上昇すればするほどリスクプレミアムも大きくなるという事実に気付いていません。

これから徐々にこのロジックが理解できるようになるでしょう。今まさに伝統市場のリスクエクスポージャーが拡大し続けており、暗号資産市場はまもなく加速度的な上昇フェーズに突入します。その時には、次々と大手機関やフォーチュン500企業が流入し、BTCやETH、さらにはLDOのような資産を使ってリスクヘッジや資産活性化を図る姿を見ることになるでしょう。

米国株のあの数社のテック大手も、順次参入してくるはずです。