米連邦準備制度理事会（FRB）の来週のFOMC会合はまだ始まっていないが、ホワイトハウス経済顧問のケビン・ハセットがすでに答えを出している——「25ベーシスポイントの利下げを直接要求」。

この国家経済会議（NEC）委員長は最近のインタビューで率直に語った。FOMCのメンバーは今や明らかにハト派寄りで、利下げは高い確率で起きるだろうと。「25ベーシスポイントで合意できるなら、私は異論ない」と述べている。追加の金融緩和については、データ次第で、インフレと雇用の両方を見なければならないと慎重な姿勢も見せた。

興味深いのはこのタイミングだ。ちょうどトランプ大統領が次期FRB議長を選定中であり、ハセット自身も候補リストに入っている。この大物も隠すことなく「大統領は数人を検討している。錚々たるメンバーの中に自分の名前があるのは光栄だ」と発言し、期待感を隠しきれない様子だった。

数日前、トランプ大統領はホワイトハウスのイベントで「ある“有力な”FRB議長候補がここにいる。みんな彼を尊敬している」と含みを持たせた発言もしていた。関係者によれば、もしハセットが就任すれば、彼の現職は財務長官のベセントが引き継ぐ可能性が高いとのこと。来年初めにも人選が発表される見込みで、シナリオは佳境に入っている。

一方で公然と利下げを訴え、他方で大統領から頻繁に称賛されるという動きは、政策期待と権力闘争が密接に絡み合っている証拠だ。暗号資産市場にとっては、金融緩和期待自体が好材料だが、人事面でもハト派色が強まり、短期的な流動性期待に注目が集まる。ただし、最終的な舵取り役はまだ決まっておらず、不確定要素は依然残っている。