最近、ある取引所創業者と伝統的な投資家が金とビットコインについて議論しているのを見かけて、ふと見落とされがちな問題に気づきました。それは、私たちが金に対して抱く信頼が、実はそれほど堅固な基盤の上に築かれていないかもしれないという点です。

金の本当の埋蔵量はどれくらいなのか？地殻の奥深くには、まだ発見されていない鉱脈がどれほど眠っているのか？これらの問いに正確な答えはありません。技術の進歩によってダイヤモンドはすでに人工合成が可能になりましたが、金にも同じようなブレイクスルーが起きない保証はありません。さらに現実的な脅威として、ある地域で超大規模な金鉱が発見される可能性も常にあります——供給量が急増すれば、価格体系は大きな衝撃を受けるでしょう。

ビットコインの論理はまったく異なります。2,100万枚という総量上限はコードに直接書き込まれており、この数字は地質調査に依存せず、技術革新の影響も受けませんし、どこかで新しい発見があったからといって変わることもありません。この希少性は数学的な確実性によるものであり、地質学的な「一時的な希少性」とは本質的に異なります。

先週、新疆で友人とこの話題について話していたところ、ちょうどその友人が現地で新しい金鉱が発見されたと教えてくれました。私はビットコインの仕組みを説明しようとしましたが、彼は「某国の陰謀」だと主張し、いずれ崩壊すると信じて疑いませんでした。しかし、こうした見方はあまり説得力がありません。

もしハッシュアルゴリズムが本当に簡単に破られるなら、攻撃者は取引記録を偽造したり、台帳を書き換えたりすることができるはずです——そんなに簡単なら、サイバー攻撃で有名な勢力がわざわざハッカーを育成してコインを盗む必要もありませんし、政治家たちが実際に資金を投じて購入する理由もないはずです。もしある国がビットコインネットワークを本当に支配できるなら、価格変動やハッシュレートの分布ですらコントロールできるはずです。

実際には、ビットコインのマイナーは中国、カザフスタン、アメリカ、ロシア、中東など世界各地に分散しており、ハッシュレートのデータも完全に公開・透明化されています。基盤となるコードは世界中の開発者コミュニティによって共同で保守されています。これは誰かが仕組んだ陰謀などではなく、暗号学と分散型ネットワークによって推進される金融実験なのです。

金の価値は「みんなが価値があると信じている」ことに依存していますが、ビットコインの価値は「数学的に増発できない」ことに基づいています。あなたは、長期保有する資産としてどちらを選びますか？