今週金曜日(12月5日)は要注意だ。大量の重要経済指標が一挙に発表される。さらに厄介なのは、現在市場ではFRBの12月利下げ予想確率が89.2%まで急騰しており、こうした敏感な時期にはちょっとしたニュースでも相場が大きく動く可能性がある。BTC、金、為替、どれも今回の衝撃波を避けることはできない。

まずはヨーロッパ時間帯からスタート。午後3時にイギリス11月の住宅価格データが発表され、ポンド強気派が陣地を守れるかどうかはこれ次第。その後、フランスの工業データやユーロ圏GDP改定値が続き、最近ECB内で利下げを巡る議論が激化しているが、これらのデータがその材料となる。

本番は夜9時半以降。米国のコアPCE物価指数――FRBが最も注視しているインフレ指標が公表される。市場予想では2.8%付近への低下が見込まれており、もし本当に下がれば利下げ期待がさらに高まり、ドル安となり、金やアルトコインが一気に上昇する可能性もある。同じ時間帯にカナダの雇用データやミシガン大学消費者信頼感指数も発表され、これらが重なることでボラティリティが爆発しそうだ。

それと、午前2時には見落とされがちな米国石油掘削リグ数データもある。これは原油供給見通しに直結し、最近エネルギーセクターや一部のエネルギー関連トークンの値動きが不可解なのは、これが関係しているかもしれない。

今の市場は、弦を最大まで引いた弓のような状態で、データが出た瞬間にすぐ結果に反映される。ポジション管理を徹底し、損切りも厳格に設定し、このタイミングで方向性を賭けて勝負するのは避けた方がいい。データに従い、柔軟に対応することが最善だ。