深夜2時、スマホが突然激しく震え出した。

「お姉ちゃん……あのラーメン屋、本当にもう続けられない。手元には数千円しか残ってない。今参加すればすぐに元が取れるって言われて……」いとこの声は明らかに泣きそうだった。

「最後のチャンス」——この4文字が、一瞬で8年前の自分を思い出させた。

あの頃、働き始めて3年目の私は、全ての貯金を突っ込んで「倍増神話」を信じてしまった。結果は、口座残高がゼロになり、家賃も払えなくなりそうで、カップ麺だけでまるまる1クォーターを乗り切った。

人生を疑うほど負けたあの日から、市場の流れが読めるようになった今までの8年間、私は数え切れないほどの「授業料」を払ってきた。2022年から2023年の大暴落では、いとこと似た状況にあった3人の友人を大損から救い、資産を2倍にすることもできた。

コメント欄では必ずこう聞かれる。「すぐに使えるコツは無いの？」

正直言って、暗号資産の世界に「楽して勝てる公式」なんて無い。ただし、99％の初心者がハマる罠を避けられる基本のロジックは確かに存在する——このいくつかのポイントを理解する方が、慌てて「底値買い」しに行くよりよほど大事だ。

**1つ目：まず「バラスト（重し）」を配置し、小さな確率のギャンブルには手を出さないこと**

どんなに市場が熱狂していても、あなたには「錨」となるコア資産が必要だ。

それは船底の重りのようなもので、これがしっかりしていれば投資全体に成長の余地ができる。もしそれが大きく下落すると、他の多くの銘柄もほぼ同じように被害を受けることになる。

多くの初心者が、「ダークホース」を掘り当てようとしたり、「独立した値動き」の銘柄を追いかけたりするけれど、主流コインは上昇幅が限られていると思いがち。その結果どうなるか？小さなコインが少し調整しただけで価値が半分になり、損切りのチャンスすら失うこともある。

本当に長く生き残る人は、まず資金の大部分を時間に耐えた主流資産に置いている。これは臆病なのではなく、自分に「逃げ道」を残しているのだ。

市場が荒れるとき、一番酷く下がるのは、最初に一番アグレッシブな配置にした人たち。その一方で、基本をしっかり守った人は、むしろ本当のチャンスを掴む余力がある。

覚えておこう。投資はギャンブルではない。まずは「負けない」こと、そして「勝つ」ことを目指すべきだ。