今後のビットコイン価格動向を左右する3つの重要要素

2025-12-06 13:09:35

ビットコインを基盤とした投資商品は、資金流入の減少とともに、年初に比べて機関投資家からの需要が弱まる中、圧力に直面しています。

機関からの資金流入がほぼ枯渇した今、市場は、利下げ期待や法的進展といったポジティブな要素にもかかわらず、ビットコインの上昇トレンドが限界に近づいていることを警告しているようです。本分析では、BTC価格を押し上げる可能性のある3つの主要要素を振り返るとともに、来週注目すべき重要な価格水準を示します。

ビットコインの主要な3つの刺激要因

ビットコイン投資家は、BTC価格の次なる上昇波を予測するために、米国ビットコインETFへの資金流入、ビットコインの市場支配率、トレーダーが記録している実現損益という3つの主要要素を注視しています。

機関資金の流入

ビットコインの価格上昇は、米国ETFへの機関資金流入によって強力に後押しされています。Strategy (（旧MicroStrategy)）のような大手企業が続々とビットコインをバランスシートに加え、他の多くの企業にも市場参入のインスピレーションを与えました。こうした機関からの需要が、ビットコインを100,000ドル突破、さらには過去最高値126,000ドル超えへと押し上げてきました。

ビットコインETFのフロー | 出典: Farsideしかし、主要プレイヤーが撤退し、機関需要が減少することで、ビットコインは重要なサポートゾーン90,000ドルを維持するのが難しくなっています。かつて価格を支えていた100,000ドルは現在強いレジスタンスとなっており、この水準を明確に上抜けて終値をつければ、強気市場の復活を示唆する可能性があります。

Farsideのデータによると、ビットコインETFへの資金流入も減少傾向にあり、12月には約2億5,000万ドルが流出しました。資金流入が縮小することで、ビットコインの強さや需要を示す指標（ドミナンスなど）も低下し、市場の慎重なフェーズを反映しています。

ビットコインのドミナンス低下は上昇トレンド終了のサイン？

ビットコインのドミナンス（(BTC.D)）は、BTCが他のアルトコインに対して持つ市場影響力を示します。12月6日にビットコインの時価総額が1兆7,900億ドルに減少した際、ドミナンスの低下傾向が顕著になってきました。現在、BTCのドミナンスは60%を下回り、59.31%となっています。

ビットコイン・ドミナンス日足チャート | 出典: TradingViewこの2カ月間、ビットコインのドミナンスは概ね59%付近で推移しており、この指標が上昇すればBTCの回復モメンタムとなり得ます。逆に、ドミナンスが低下し続ける場合は上昇サイクルの終了を示唆し、資金がアルトコインやその他トークンへと流れるきっかけになります。

損失でビットコインを売るトレーダーたち

市場の状態を最も正確に反映する指標があるとすれば、それはネットワーク上の実現損益です。Santimentのオンチェーン指標は、トレーダーが日々実現した利益と損失のネットフローを追跡します。11月と12月の数日間、このデータは多くのトレーダーが損切りしていることを示しており、これは投げ売りや売り圧力増加の警告サインです。

ビットコインネットワークの実現損益 | 出典: Santiment指標の大きなマイナスピークは、価格トレンドの重要な変化を予兆することが多いです。利益確定が損失確定に転じ続けると、トレーダーは保有するビットコインの重圧に直面し、BTCのより低い価格を期待するようになります。

この大規模な損切りトレンドが続けば、今後数週間のビットコイン価格にネガティブな影響が避けられません。また、マクロ経済要因や利下げ期待も価格動向を左右する重要な役割を果たします。

ビットコイン価格分析：注目すべき重要水準

現在、ビットコインは83,828ドルという重要なサポート水準を維持しており、次の値動きに向けて強固な基盤を築いています。注目すべき2つのレジスタンスはR1（91,361ドル）とR2（98,019ドル）で、100,000ドルの大台は依然として重要障壁として投資家の注目を集めています。

BTC/USDT日足チャート | 出典: TradingView2週間以上にわたるレンジ相場の後、ビットコインは次の方向性をまだ決めかねており、上昇か調整継続かが注目されています。BTC/USDT日足チャートのモメンタム指標はポジティブシグナルを示しており、RSIは43で中立圏に向かい、MACDも連続して緑色のヒストグラムを記録、上昇トレンドの力強さを示唆しています。